布巾
はるな


きみがいつまでもいないあなたをみているので
ぼくは一塊の埃になってしまった
埃になってもなお消えない思いで
ぼやっと燃えてしまった

きみが布巾をとりにいく
それで些細な焦げを拭きとると
部屋着をぬいで洋服を着る
靴したを履いて きれいな髪どめをつける
そうして扉をしめて出ていくと
部屋はたちまち青くなり
やっと僕はいなくなる
どこにも
君の中にも



自由詩 布巾 Copyright はるな 2017-03-08 19:46:30
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