しずる

人の多い喫茶店で
私は一人静かに
声をたてず泣きました
下を向くとメガネのガラスに
涙のしずくが溜まるので
そっとメガネを外しました
窓ガラス越しに外を見たら
夜の明かりゆらゆら揺れました

万華鏡の明かりの中で
世界は美しく残酷でした
私は冷めたコーヒーを
音をたてずに飲み干しました
白いカップの内側に
茶色い輪のスジが残りました
それをキレイと思う
私がいるのでした

2017/2/21


自由詩Copyright しずる 2017-02-27 23:33:16
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