Love&Peace&Kitchen
梅昆布茶
インスタントラーメンと目玉焼きぐらいしかつくれなかったが
いつしか肉ジャガが美味しくつくれるようになってしまった
かぼちゃの煮物と筑前煮と筍の土佐煮にきんぴら
変化は世の常ではあるが妻と離別し
母も他界し息子3人からは音信もない
逼迫する生活の中で老いながら学んでゆく
個の経済学と上野千鶴子的社会学
人間は急には変われないがしかし
常に変革を追い求め得る存在でもある
自身のパラダイムを組み替えることは至難の技ではあるが
地球儀(いまではGoogleearthか?)をくるくる回してみると
そこには眼にみえないほどの無限の母のレシピが貼り付けてある
保存瓶に整列した梅酒やピクルスや誰かのハートや国籍のない手紙
歴史の外の世界にあらたに棚を設け自分の中で並べかえてみる
ひとの生業は様々で良い
それぞれが尊厳をもって生きることはとても素敵だ
僕は今日も未知のレシピを探しながらかつ老いながら歩いてゆく
たぶん身体の続くかぎりは走り休み息を整えながら転がり続ける
ときどきシフトするが僕は母のレシピを毎日つくってゆく
すべてと僕の大切なものを食するためにそれが生きることだと
教えてくれた人の為に