逆里と真理
HAL

雨は足下から降ってくる
樹は天空から伸びてくる

空を見上げると大地がある
足下を見ると空にある雲が動く

想い出そうとすると未来が視える
忘れようとすると過去が現れてくる

川は上流に流れていく
太陽は西から昇り東へ沈む

本は最終行から書かれ最初の一行で句点が打たれる
絵は油彩で塗りあげられ無地のキャンパスで完成する

恋は別れから始まり出逢いで終わる
そしてひとは頭で立ち足で思考しヘーゲルを嘲笑う

そう真理は単純だけど逆理は複雑なんだ
そんな真理だけでこの世界は構築されてはいない

死は生に託されるように
生は死に委ねられるるように


自由詩 逆里と真理 Copyright HAL 2017-02-10 18:08:46
notebook Home 戻る  過去 未来