私が求めていたものは
番田 


予定のないいつもの休日
私は友人の女の子のいる店へ歩いた
街の雑多な装飾の通りをぼんやりとまっすぐに歩いた
新宿の ビームスを抜けて
あてもない 休日を 過ごす人の群れの中を


私も年を取ったけれどもどこにいくのだろう
白いカウンター越しに 話された 幾つかの言葉を思い出す
彼女は昔の仕事仲間だったけれど
もう今は何も接点は無かった
遠ざかっていく記憶を取り戻すかのような言葉だけが響いていた


この関係は 何か意味をなすのだろうかと
ときどき 考えるけれど
消えてしまってもかまわない
そんななんの意味もない感情をいだかされながら
私は店を出た


帰りの電車で
誰もがそうするように過ぎていく風景を見ていた
誰も何も言葉を発することのない日曜の夕方
彼女は私と話していて面白かったのだろうかと
そのことばかりが気になった



自由詩 私が求めていたものは Copyright 番田  2017-01-29 22:36:40
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