悲しいのなら己の燃える拳を握れ
差羽ナガレ

寂れたバ-の長椅子で

瓶ビ-ルにくちづけを

両腕の入れ墨を切り裂く

刃物傷だらけの喧嘩屋に

絡まれた遠い夏の夜

弱い者は踏み付けられて

もがきながらも逃げ場を探す

口先だけを幾ら研ごうが

何も変わりやしないのさ

飲みながら話すその横顔に

陰湿な影を見い出せなかった

分厚い掌を差し出して

握手を交わしたあの日すら

虚ろな過去へ薄れてしまうよ







自由詩 悲しいのなら己の燃える拳を握れ Copyright 差羽ナガレ 2017-01-16 01:41:19
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