食べる天使
塚本一期

ブッ
おならをしたふり

私は別の誰かになろうとしている。
「どうしたらいいの?」なんて、絶対に訊かない。いや、訊くことあるかもね。
そっちのほうが良ければ。

灯油、入れすぎて
手が、灯油まみれ。
せっかくだから、
マッサージしてあげようか?

恍惚として、それから
天使に出会ったみたいに
君は、私を見てた。
畳の上に立って。

そんなものは忘れ去られる感情だって
知っている。だから
私は涙びたびたの床の上に
四つん這いになってる場合じゃないんだ。
優雅に
笑っていなくちゃならない。

手に入れるよ。
君を。
君の人生の終わりを。

私は欲張りだから
物なんか
いらない
魂しか
欲しくないんだ。

私を手玉に取っているなよ。
頭からすっかり食べるために
君の半身になるために
牙を隠して
微笑みかける。

いつでも、君の天使でいるために
わくわくするよ
君がどんなにか喜びながら蝕まれていくのかとおもうと。


自由詩 食べる天使 Copyright 塚本一期 2017-01-12 21:09:24
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