首括れ
花形新次

絶望は
自分を轢死体へと
誘うだけだが
希望は
自分に無駄な生命力を
与える一方で
他人を疲弊させ
困窮へと導く

しかも絶望と希望とは
背中合わせであり
昨日まで
生きるために
満ち溢れていた
おまえの力は
今日、容易に
京浜急行へ飛び込む
勇気に変換される

希望なんてものは
何もありはしないんだぜ

この後何十年何百年
語り継がれて行くものなんて
ありはしないし
あったとしても
おまえに書けはしない

そんなことは
分かりきっているのだから
もう意味ないだろう

迷惑掛けない程度に
首でも括れよ
今年はな、必ず


自由詩 首括れ Copyright 花形新次 2017-01-04 22:49:28
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