夢見る丘
水菜

ぼかぁ、馬鹿なんだよ
ぼかぁ、馬鹿なんさぁ

白い丘から見下ろす風を、身体全体で感じ取って、
僕は、只々、自分を見下している

僕の心の中に住み着いている奴らに、
必死で歯向かおうとしている

その顔をひねりつぶそうとして、
苦虫すりつぶしたような顔をしている

元気になれよと、あっけらかんと、爽やかに笑う奴に、憎しみを感じる
そんなに簡単に、しがらみを捨てられたら、どんなに楽かわからない

もっと、明るくなれよと、親しげに肩を叩く奴に、ハリネズミのように、全身の針を立ててやる

目に浮かぶ光景がある
冷たい雨に打たれて、それでも、泣きながら笑っていた奴

グッバイ
そいつはもういない

夢見る丘の上で、僕は、腕を広げる
見上げた空は、死ぬほどまっさらで、抜けるように青かった

青空に舌打ちをして、僕は手を握り締める
幼い頃の君に
悪態をついてやる

小さな声でそういってやるから
悔しがって泣けばよい

僕は、夢見る丘で、空ばかりみて


自由詩 夢見る丘 Copyright 水菜 2017-01-04 19:11:27
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