泡の、あとさき
望月 ゆき
あしもとから 垂直にたちのぼる
無数の、泡
音もなく こわれてゆくもの
の
スピード、ゆくえ、
( とめるてだては、ないわ )
からだをかたむけても
もう おいつかない
はじける、
はじける、
コップのふち
今にもあふれそうな
時間
(
とき
)
の水面で
わたしたちは いつも
コントロールされながら
右へ、左へ、
呼吸をくりかえす
ばかり
音もなく
見失いがちで、それは
つかんだとおもうと
てのひらをひらいた
つぎの瞬間にさえ
あとかたも、ない
自由詩
泡の、あとさき
Copyright
望月 ゆき
2005-03-05 00:00:34