深層
tonpekep

骨は笑わない
笑うのは肉ばかり
ぼくらがとても満足して一日を過ぎていっても
どこかに不安が残っているのは
肉の下で無表情に暮らす骨があるからだ
けらけらと笑う女よ
それはおまえの本心ではないのだ
骨はただ顎を開けているにすぎない
気持ちよくて
肉をふるわせていても
それはおまえの本心ではないのだ
骨はただ上下に動いているにすぎない
見つめ合っているのは目でなく
ぽっかりとくぼんだ眼窩と眼窩の方向なのだ


自由詩 深層 Copyright tonpekep 2005-03-04 10:42:04
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