終焉
鷲田

地球は自転をして呼吸をしている
アンドロメダの惑星の輝きは
生きている証を夜の暗闇の中で示している
青い大空の中では
全てが澄み渡り
生命は存在を忘れて
失語症の詩人のように姿を消す

平和を語る時の風景画
ラディアータの赤い葉は
光の明るさに呼応し
孤独に一人の恋人を想っている
まるであの太陽のように

アポカリプティックの溜息
世界が終焉の音を聞く時

止まる

終える

声は無い

一つの散文による物語の続きを語るために
人は歩き続ける
流転とは生きる車輪である
私達は止まれない
肉体と精神には動きがあり
言葉にする必要が無い理由がある

50億の瞳が世界の出来事を見つめるのは
生命としての覆せない宿命の影

ガラス越しから見える雑踏は
10億光年離れた惑星と同じ輝きをしている


自由詩 終焉 Copyright 鷲田 2016-11-09 22:24:23
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