ソノヒグラシ
Rabbies Diary

せみの声と鈴虫みたいな音がそろそろ合唱になる夕方

せみの死骸は
なんであんなに重量がないんだろう

木にしがみつくあの力を
重さと勘違いしているだけなのかなと
思ったことがある 遠い昔のこと

鳴き続けて完全燃焼したから
すっかり抜け殻で
あんなに軽くなっちゃうのかな

もう動かない抜け殻には
思い残したことはないのだろうか

思いは重い なんて昔誰かがいっていたし

今年も夏を迎えられたことは貴重なことで
来年も同じように迎えられるとは限らないというのに

転がったせみを見ても 本当には実感できずに

今日もその日暮らし


自由詩 ソノヒグラシ Copyright Rabbies Diary 2016-08-28 17:32:34
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