春陽
物川祐治

うつくしい

 と吐く息に混ぜ込めて
唇の隙間に隠蔽した
ほんとうをひとつ、ふたつ
するりと抜き集めて花束に
困惑を花土に踏みつつ
可憐な死体にキスばかり
心臓は死んでいてその代わりを肺がしてるらしい
夜を焼かないで
月だけずっと
xxx

ぼやけたことだけ見せびらかして
ここは廃屋
お花畑には
昼も夜も無いから
いくらでも摘んで花束にしていいよ
だから

私も君の側に眠りたい


自由詩 春陽 Copyright 物川祐治 2016-06-17 18:50:14
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