カンパネルラ。
印あかり

(星が過多に絡まる布を
ずっ、と引き摺って歩く)

祭りに群がる
こどもらの声

茹だり茹だる旋律の
真中で がぼがぼ溺れている

(乳の道をたどり
誰かが母に辿り着く)

私が零したパン屑に
群がる川の魚のように

約束に腐る程度の
君であったなら

(あの時の僕らは
未来と過去しか見えていなかった
瞬間 が君を浚っていった)

(美しく鮮烈に)

(  )


まだ、杖が無くとも歩ける
黒の上着を置き去って

腐りゆくこころが
燃える川を渡っていく


自由詩 カンパネルラ。 Copyright 印あかり 2016-04-24 19:20:44
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