五月~憧れ
ヒヤシンス


 淡い太陽とそよ風が流れる五月。
 森を抜けた小高い丘から見渡せる大海原。
 キラキラ光る波間に浮かぶカモメ達。
 沖合には大きな帆船が漂う。

 新しい季節の到来に胸が高鳴る。
 自然の温もりの中、ある午後を過ごす。
 よく冷えたジャスミンティーを口に含むと、
 あの頃の横浜を思い出す。

 夢空間の中で私は歩む。
 ジャムの描いた驢馬のように。
 ゆっくりとさりげなく。

 私は私の失われた時を取り戻そう。
 すべての人の内にある優しさだけを信じて。
 五月のそよ風が永遠で満ちる頃に。


自由詩 五月~憧れ Copyright ヒヤシンス 2016-04-23 06:20:46
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