冬に属する
みけねこ

空は四角くあり、そしてその街もである
と、嘆いたのはひとりではない
アスファルトはかたく、そして見上げるものの全ては幾何学でできている
星空を見たいね、
といってそのようにするけれども、
美しくて浪漫的でありながら、
それは電飾であり、星空をまねたんだった。
けれども、本物でなくたって、本当は気にしないでもよくて、
そのために誰も躓かないでいられる
ピカピカして、キラキラして、
そのどれもはイミテイションである
とは思わないでいられるのは、
ラッキーなこと!

真夜中の真昼に、白いビル街が天に突き刺さって
振ってくる、小さな水晶玉、たくさん
誰かの忘れ物、誰かが捨てた物、
救ってあげて、また放り投げて、そして壊れない、
結局は落ちてゆく、海の底に。
やり直し…

かなしいだろうか?
歩を進めたりゆるめたりして、
赦されたいと願いつつも罰をまたのぞんでる
アンビバレントは冷たい空気であって、
目にうつる無数の目が、
見てる
そして
うつすのは、その無数かつ無数でない、目であり
限りがあるってことを教えてくれる、
ぜんぶ。

数える、数えない、

月と、ステップと、ダンス、
届くように。
円を描いて、
爽やかな雨が降るように、
粉糠雨に濡れるように、
掴めるようにやめるの?

確かでないもの
きっとすぐにいらなくなること
願うこと、信じること、いろいろな
本当に?疑ってる、いつも

新月の雨、
時間がないみたい
溶けていくみたい、
思い出すみたい、
あの日みたいに。

来ない明日、待ってる?
振り回した傘、
総武線、
張り巡らされて飛ぶ、飛んでいく、
カラスとか鳩とかみんな大空を見てる、
帰りたいみたい
どこへも行けるみたい
涙出るみたい
なかないみたい

フラワープリントの羽根
持ってるみたい
やっぱりいらないみたい
踏みしめてるのは、きっぷと
不確かなものだけ
信じる?信じない?数える?数えない?
選択肢だらけ
わからないみたい
ぜんぜん知らないみたい
言いたいみたい
黙りたいみたい
冬に属してる者みたい
ただ寝ていないだけみたいな、
声、
この夜の。



















自由詩 冬に属する Copyright みけねこ 2016-02-07 22:25:35
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