夜雨
藤山 誠

ざらざら
ざらざら
雨がゆっくりと降る
夜の上に静かに水を張っている

ざらざら
ざらざら
水が道路を叩く
暗い空から水が垂れ続ける音が見える

俺は何も言えなくなる
足元に冷えた空気が纏わる
雨は何時間も降り続ける

ざらざらと流れていく雨は
夜の秘密をまもる
その夜の中で弾けて流れてぐちゃぐちゃになる
生物は息を潜めて眠りにつく


自由詩 夜雨 Copyright 藤山 誠 2015-12-11 02:11:04
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