遠い水音
しろいろ




チャリティの結婚願望だね、どれも外したいとき外せる鎖


皮膚のした脈打つきみの平熱のただ、なだらかな痛みをたどる


水彩画ここで過ごした季節たち カルピスのうすい夢みたいだね


枯れかけの花の名を呼びあいながらそっとふたりで影踏みをする


壊されたコンセント束ねてゆけばまるで灰色の花束でした


ハイネケン口移しして冷えていく月と気泡とふたりの匂い


きみの汗が脆いガラス細工のように散って、つぶせば夜がひろがる






短歌 遠い水音 Copyright しろいろ 2015-11-22 20:34:12
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