失楽園
レモン

雨音が
ささやきを閉塞させる

しろく伸ばされた腕の饒舌は
くちづけよりも
切迫して
喉を
羽交い締める。

 深海魚のようだ

隔絶された
いきぐるしさで
求めあい
同じ速度で遠ざかりながら
けして重なることのない鼓動と脈拍を数える眩暈

   融けてゆく
  昇ってゆく
    えん
     の
    ような
  おおきな渦の
        失墜
   あぶく絡まる

     藻

   にも似た


ためいき

だったの、
かもしれない


けれども
それは

紛れもなく


救済だった。




堕ちてゆく輝く闇に


ひとひら、











自由詩 失楽園 Copyright レモン 2015-11-14 21:46:34
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