ふたりの約束事
溶融






この道は通りたくないわ
あの出来事を思い出すから




ふたりの約束事がひとつ

生まれた
あの雨の日


僕は病院の駐車場にいた
車の窓を
流れていた雨の雫を見ていた







手術を終え
グッタリと横たわる君





永遠の眠りに
ついたかのように
永遠が続いていた






車から降りて
雨に打たれ
ショッピングモールの屋上で
空を仰いだ





流れ星が流れた気がした






真新しいランドセルの
子ども達が
雨の中を駆け抜けていく







もう帰りましょうと
君の声が聞こえる








自由詩 ふたりの約束事 Copyright 溶融 2015-11-11 10:52:23
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