許されたときの記憶
noman

雨は止んでいつの間にか
少し傾いた電線の上に
冷たそうな空が切り取られている
横たわるものはそのままに
しておけば
やがてもっとあいまいになるのだろう
無造作に広がる煤けた空気の中
均等な感覚で並んだ白い布の上に
どこかで過ごした生活の
影が落ちている


自由詩 許されたときの記憶 Copyright noman 2015-11-08 17:58:48
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