Pesalvio Park
鳴々門 零

サラダ菜を素手でつまみながら
ペサルヴィオ・パークに腰をおろしたまま
100オンスの肉汁をすすり パンを頬張る
地面も空も同じ色をしていた

でっぷりと太った中年のニューヨーカーが
すばしっこく動くコーギーに先導されて
気だるそうに見えるが 心地よいのだろう
口元には笑みをみせながら 
身体を弾ませている

子供たちは女の牧場主に連れられて
色鮮やかな音を響かせながら
猟犬に追われるかのように
好き勝手に 散らばっていく

黒い服を着た老人が
杖に手で凭(もた)れたまま
座って動かない
新聞紙を押しつぶしたまま
寝ている男は 腕を組んで
塵と埃を吸っているようだ

地面にも 空にも
主たちが集まってきた
空気を動かさないつもりが
微妙に揺れている
込み上げてきた空気を出し
サラダ菜を地面に落として
立ち去ることにした


自由詩 Pesalvio Park Copyright 鳴々門 零 2015-09-25 19:29:34
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