パーマネント ラビリンス
そらの珊瑚

四方に充満した水の粒子が
わたしの髪の毛を
ちぢれさせてゆく
梅雨に不機嫌になるのは
そんな他愛のない理由だった

透明な傘を持ち
すれ違う人が
生真面目な歩幅で
人を殺す理由
人を殺さない理由
理由、理由を探しあぐねている

おおげさな理由ほど
ひとときの
なぐさめにはなるけれど
ほんとうの理由は
また別に
ひょいと曲がった辻にあったりする

橋を渡り終えても
足先が詩にふれるたび
そこから
亜流の水が流れ始めるから
また橋が作られて
おそらく終わることがない



自由詩 パーマネント ラビリンス Copyright そらの珊瑚 2015-06-09 14:04:50
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