五月の風の向こうに
秀の秋

 若葉はだんだんと濃い緑に変わり
 空の青には白い雲がまぶしく輝く。
 生命が萌えたつ
 五月のさわやかな風・・・
 
 新しい生命が生まれるということは、
 それと同数以上の生命が消えてゆくこと。
 いまこうしている自分も
 そう遠くない日に消えてゆく。
 
 人生とは、という問いに私はどう答えるのだろう
 人の生きる意味とは何か?
 猿が生きる意味とは何か?
 イグアナが生きる意味とは?
 
 そう、みんな同じだ、たぶん
 ただ、ヒトだけが「人間として」の虚構に生きる。
 五月の風の向こうに、季節は巡り
 生命は生まれ死んでゆく
 


自由詩 五月の風の向こうに Copyright 秀の秋 2015-05-31 10:54:15
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