頭の中の靄、表現すべく綴る即興の詩
ねこ歩き

さあ 嘘で塗り潰した世界を僕に見せてよ
真夜中に漕いだ船が向かうは 銀河の果て
なんちゃって本当は ただの湖で 鳥たちが羽ばたいた
幻想を装うかのように夏の雪が降る

夏の雪が降る

桜が咲いたのは記憶の中だけで
一度だってその手に触れたことはなかった
見るものすべて 触れるものすべて あらゆるものすべて
君のキスひとつに すべて含まれていた

抱きしめて眠りたい

叔母から手渡されたビー玉に写り込んだ醜い顔
屈折して 歪曲して Y軸を跨いで 次元は歪んで
それでも何かを確かめたくて 共通項探して
計算式当てはめて その方程式 ピタゴラスより程遠い

雷は雨に濡れ

走り抜ける 走り抜ける
ここは何処だって 常に問いかけていたい
振り返った砂漠に 足跡は付かない
蜃気楼だって気付かないでいたい

歯痒くて 歯痒くて
これが人生なんだって 噛みしめて泣いていたい
抱きしめた蹉跌に 温もりは有り得ない
幻聴だって気付かないでいたい
幻想だって気付かないでいたい

まるで神様がいるかのような錯覚に惑わされて
また君のキスで眠りたい

君のキスを欲張りたい

ここは何処だって 常に問いかけていたい


自由詩 頭の中の靄、表現すべく綴る即興の詩 Copyright ねこ歩き 2015-05-25 23:40:58
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