切れました
yamadahifumi

真空が風になったら

有が無になるのだろうか?

インターネットを通じて世界は

僕に逐一指示を出してくる

でも、時々、僕はそれを

風の中の雑音と聞き間違える


大学生の時に恋したあの子は

今は何才になっているだろうか?

…笑わせる、あの子は今

僕と同じ年のはずだ

…だが、その「はずだ」はいつか

壊れてしまうかもしれない

僕はふいにそんな事を思う

きっと、あの子は

年々若返っているに違いない


結局、人々が何を言い、どれだけはしゃごうと

相変わらず自然はそのゆっくりとした流れを止めない

人々が互いに嬉々とした表情で

お互いの首を刎ね合おうと

それでも、近所の野良猫はのんびりと

自分の肉球をぺろぺろと舐めているだろう


(…はい、わかりました すいません、すいませんでした 以降、気をつけます)

(ええ、もうこんな事は二度としません 間違えてしまったんです すいません)

(このお詫びはまた、後日、別の形で すいません それでは、また『あの件』よろしくお願いします)


ツー・ツー・ツー

電話は切れた

それと共に僕も切れた

電球が切れるように、パチっとね


自由詩 切れました Copyright yamadahifumi 2015-04-23 07:45:38
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