Slow Evolution
大島武士

真夜中に星空を眺めている時に
魚が陸に上がり進化したように
空の彼方へ人類が飛び立ってゆく
そんなことを夢想するけれど

星空の下 瞳を閉じて
「今が60年代だったらよかったのに」と歌っていた
90年代のロックシンガーの歌を思い出して
景色がずっと変わらなかった 
青春時代に思いを馳せていた

イラク戦争の狙撃者の映画のエンドロールで
深い深い沈黙を聴いた後に 家に帰って 
歳を重ねた 日本のシンガーの歌を聴いていたいんだ 
相変わらずの恋の歌を

ゆっくりとしたペースで 
似たようなことを繰り返しながら
少しずつ昨日と違ってゆく
時代の闇に光を見失っても
ポケットの中に小さな太陽を忍ばせた人々の住む
そんな世界で

無線の回線の向こうで世界と繋がれて
いつでも豊かさはいっぱいで
「いらないものが多すぎる」けれど
それでもなぜかお腹が空かせていたまま
小さな小さな沢山のやり取りで
確かに空と繋がれている人々の住む そんな世界で

善悪の彼岸でただ平和を願おう
景色がずっと変わらないまま
年老いた男が相変わらずの恋の歌を歌って
それでも 去年と少し違っていたなら
新しい曲を待っていた 空腹な日々を愛おしみながら

ゆっくりとしたペースで
似たようなことをめんどうくさがりながら
ありふれた 新しい恋の歌で 
僕らは空へと繋がれている

ありふれた恋の歌が
前とは少しだけ違うリズムだったなら
僕らは空への階段を
ゆっくりゆっくり昇ってゆくんだ

」真夜中に星空を眺めている時に
魚が陸に上がり進化したように
空の彼方へ人類が飛び立ってゆく
そんなことを夢想するけれど

星空の下 瞳を閉じて
「今が60年代だったらよかったのに」と歌っていた
90年代のロックシンガーの歌を思い出して
景色がずっと変わらなかった 
青春時代に思いを馳せていた

イラク戦争の狙撃者の映画のエンドロールで
深い深い沈黙を聴いた後に 家に帰って 
歳を重ねた 日本のシンガーの歌を聴いていたいんだ 
相変わらずの恋の歌を

ゆっくりとしたペースで 
似たようなことを繰り返しながら
少しずつ昨日と違ってゆく
時代の闇に光を見失っても
ポケットの中に小さな太陽を忍ばせた人々の住む
そんな世界で

無線の回線の向こうで世界と繋がれて
いつでも豊かさはいっぱいで
「いらないものが多すぎる」けれど
それでもなぜかお腹が空かせていたまま
小さな小さな沢山のやり取りで
確かに空と繋がれている人々の住む そんな世界で

善悪の彼岸でただ平和を願おう
景色がずっと変わらないまま
年老いた男が相変わらずの恋の歌を歌って
それでも 去年と少し違っていたなら
新しい曲を待っていた 空腹な日々を愛おしみながら

ゆっくりとしたペースで
似たようなことをめんどうくさがりながら
ありふれた 新しい恋の歌で 
僕らは空へと繋がれている

ありふれた恋の歌が
前とは少しだけ違うリズムだったなら
僕らは空への階段を
ゆっくりゆっくり昇ってゆくんだ



自由詩 Slow Evolution Copyright 大島武士 2015-04-17 13:10:20
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