慎ましき日々
捨我

僅かばかりの幸せを
漉し取るように味わう日々
まるで奴隷か囚人だな
思い当たる罪なら山ほどあるが

これでも少しはマシな方らしい
だからどうしたと言うんだ
俺より不幸な人間がいたところで
この生活がマシになるわけでもないだろう

錆きった魂だが
手放すのも簡単じゃない
どうせ死んだところで
救われるような生き方をしてきた記憶もない

残り時間はどうだ
目を閉じれば一瞬か?
あまりに希望的観測
その場しのぎで躱せる程現実は容易くない

行き場を失くした憂いや憤りで
また幸せの残量が削られる
節制が美徳であるならば
これもまた素晴らしき人生か?
他人事ならなんとでも言えるな


自由詩 慎ましき日々 Copyright 捨我 2015-04-05 20:28:17
notebook Home 戻る  過去 未来