ソックスと田んぼと菜の花と
石田とわ

      

      ガタコトゆくのは2両電車
      田舎のしがない私鉄です
      その座席に座るわたしは
      上下左右にからだすべてが
      揺れるのです
      重いドアを両手であけて
      乗りこむ少女たち
      古びた車内に満ち満ちる
      さえずりのようなおしゃべりと
      並んだまっ白なソックスが
      春と呼ぶにはまだ早い
      繊細すぎる陽ざしを
      呼びこむのです
      あぁ、ガタコトとガタコトと
      どこまでもゆくのです
      まっ白なソックスが眩しすぎ
      田んぼばかりを
      眺めています
      菜の花も、
      もうすぐ咲くでしょう
      終着駅はどこですか
                 




      


自由詩 ソックスと田んぼと菜の花と Copyright 石田とわ 2015-02-27 01:20:29
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