食うに食えない便所飯
北井戸 あや子

購買で買ってきた
チョコメロンパン、スティックチーズケーキ、
シュークリーム二つと、あたたかいミルクティー

それらを詰めた鞄を置いて
拒絶に似た冷たい便座に片手を突っ張って
鈍重な身体を支える

いただきます、のその前に
やらなきゃいけない事がある

入るところまで手をねじ込むと
荒れた唇はすこし裂けた

胃にぐっすりと重くある
それは溶けてはくれないから
吐き出す他に出口はない

胃の場所を喰うそのカタマリ

これからの講義に備えて
食べておきたいんだ
なんでそこまで、出ようとしない
どうしてそんなに、邪魔をする

えづき疲れて今日も負け
鞄に詰まったいろいろは
今日の晩飯に持ち越しだ
ぬるくなったミルクティー
ため息吐いて口にする
ベタつくみたいに甘ったるい
そんな事さえ嫌になる

ここのトイレが綺麗でよかった



自由詩 食うに食えない便所飯 Copyright 北井戸 あや子 2015-01-19 19:34:28
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