お餅バリエを盛り込みながらの 餅→宇宙 スペクタクル連詩風味
とよよん

◯ 梅ヶ枝餅→花餅→(雪見だいふく→さくらんぼ餅→安倍川餅)→玉椿→花びら餅


枝垂れ梅の下
並んで歩く
梅のかむざし染まるほほ

(初恋は梅ヶ枝餅の味がしたような、
しなかったような、、)


高山の正月は花餅
赤、白、赤、白、
長寿を願って88個の餅をつけてみた

重たく垂れ下がる枝に
「実るほどこうべを垂れる稲穂かな」
と呟いてみる8時8分



ふくれっつらの雪見だいふくを
指でぎゅっと押してみると
ぶっと息が破裂して
もっともっとふくれたので
チュッとしてみると
とろんと中身からとろけた


おばあちゃんの駄菓子屋さん
手招きしてる さくらんぼ餅、りんご餅、あっそうだった、ソーダ餅


否、私は磯辺餅ではなくて安倍川餅のようになりたい、の、よ、今までも、そして。これから、も、



心に纏った求肥の十二単に
新しい春風が悪戯する

やはらかな黄身餡
震ゑてゐるから

もう一枚もう一枚と着膨れてゆく衣更着


しんとしたお席に衣擦れの音
くすり笑う白梅が見下ろしている

足の感覚が遠くなるにつれ
厳かに鎮座まします花びら餅が
新しい春を揮発させるので

背すじがしゃんとなる



◯ space tour


鏡餅をカチ割って
ぜんざいでも味わいましょか
除夜の鐘まで351日間のボンノウ・ツアー

丸三角四角、ないのは三角餅、
と思ったら山口にあるそうな。
世の中広いですなぁ



三つの星があったとさ(*)
宇宙のはてのまだむこう(*)

丸人は猿人と似ていて
四角人は眉間にしわ寄せ詩を書いて
三角人は美男美女ぞろいだそうだ

宇宙のはての(*)
まだむこう まだむこう まだむこう(*) 《k》

(*)は、「まる・さんかく・しかく」作詞:山田とも子 の歌詞から引用


(白いスーツで薔薇星雲を胸に宇宙に漂う言葉の塵と聴こえない音楽を細く長く吸い込んでいる様を眺めながら)

揺れる絨毯で

赤福を3つ食べたところで

閉塞しそうな食道を諦めて

その口に詰め込む


お嬢さんとタップダンス
ちょび髭のチャップリン
目深の帽子で前が見えず
気持ちよくすっ転んだら
天空に穴があいたけれど

空の向こうの星々
ステッキを振って
落としてあげるね

たくさん集めて
首飾りにしよう



「首もとが寒い」ときみが言うから
尻尾をちぎって巻いてあげる
「それじゃあだめよ、血が通ってないもの」ときみが言うから
腕を巻いてあげる
するときみの頬が赤くなる 《k》


ひんやりとした首飾りに熱い腕
冷えのぼせた頰

ちぎれた尻尾は星座にしようね
こんぺいとうでたどる怪獣の尻尾座

流星群に襲われたら
辺り一面こんぺいとうの海になって
わらって見ている丸餅の月



《k》こひもともひこさんの詩を引用
2015.1.13-15 Twitter連詩 #自由連詩 より自作部分を再構成したものです。


自由詩 お餅バリエを盛り込みながらの 餅→宇宙 スペクタクル連詩風味 Copyright とよよん 2015-01-18 00:15:07
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