気がつくと何かに祈ったり戦ったりしている
ねことら








エアコンのごーっという低い音で部屋はゆらめいて、またたき、のような、わたしたちは、いつもまたたいて、細いろうそく、生まれたての火のよう、なにもかもつけっぱなしで、スイッチも、感情も、きもちいい仕草や、こころ、うまくいくことはなく、清潔でありふれたこの町で息をして生活しているのだった、わたしたちだった、


ストーリーは短く、どのタイミングでも閉じている、液晶越しの世界、うろうろと形作ろうとして、一間にこわれるせつないデータのくず星のかけら、を、なめるように生きのびる、わらったり、ないたり、したい、わたしも、息をするのにせいいっぱいで、わらうことを可能なシステムをうけとりたかった、


あした生きる時間のレンタルが睡眠だとしたら、わたしはノーガードでなぐられるのが好きだ、ねむれない、ねむらない、ねむれない、を、選択しているようにおもう、きちんとした眠りでランダムに麻痺したい、いつもゆるく覚醒しながら乾いた月のはじっこにつかまってます、わたしでした、


ふるい約束がざんざ降りになって、わーってなるとL字の錨がさしいれられます、それがあなただった、あなたはプレステがしたい、うちにある壊れかけのプレステツーがしたいといい、わたしはしたらいいといい、あなたはうちにいる、馬鹿なのかわからないがあなたなりの愛だ、あなたはわたしと同じ空間を占有したい、それで澄みきった満足をすこし得ていつも帰っていく、


今日は月曜日だけど祝日で、あしたは火曜日だから平日だ、そういう約束がざんざ降りになって、わたしは簡単にこんらんしてしまう、外部と内部を区切りたくなる、テレビ、テレビをつける、それもまぼろしのよう、パリのデモ、石造りの長方形と正方形と流れていくプラカード、白い息、くすんだ黒や茶や灰や何かえたいのしれない、不安なきぶんでわーってなるとL字の錨がさしいれられます、あなたは今夜もこの部屋に来ていて、付属するようにくっついたまま、続きのニュースのサッカーの結果をだまってみていた、


何か食べるかと聞くとパスタでいいという、いつもレトルトのパスタばかり、わたしは食べることに興味がないがあなたはそれでいいのだろうか、鍋に水を入れあたためる、水があたたかくなり湯になる、塩を入れパスタを入れる、これも何か閉じた輪のようで、それをなぞるのは気分がよかった、


パスタを食べているとあなたが見て見て、といい、見れば窓のむこうではいいろの雪がふりはじめていた、ああ、雪だね、雪だ、と、はじめて雪をみたふうにはしゃいでいて、はしゃぐふりをするのも楽しいとおもった、雪はやっぱりまぼろしのようで、積もるかな、積もればいいねと話をしていたのは、そこに降っていることを確認したかったから、かもしれない、夜が明け、雪が積もっているなら、きっととても気分がよくなるとおもう、あなたも笑ってくれるだろうことを、盲目に信じているのだ















自由詩 気がつくと何かに祈ったり戦ったりしている Copyright ねことら 2015-01-12 23:08:19
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