惨敗
浩一

日本語の檻の中でもがいているのは
あれはいわゆる詩人です
なんとかして檻を破って
脱出しようとしているのです

けれども彼は知っているのです
あれやこれやの手練手管を使っても
すかしてみても ふかしてみても
けっして檻が破れないということを

けれども今夜も彼は白紙に向かい
性懲りもなく言葉をいじりたおします
けっして勝てない勝負に挑みかかります

そして結局いつものように惨敗に終り
その惨敗の哀れでみじめな痕跡が いわゆる詩
ということになるのです


自由詩 惨敗 Copyright 浩一 2014-12-29 02:06:29
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