鬱血
北井戸 あや子

わたしに
ひとひらの
あかいろをにぎらせて
とおくなっていく
ちいさなはね

ぼんやりと
薄青い影色をみていた
ときたまうねり
わたしはちょっと
こわくなって
拠り所を探す
あたたかい
やわらかい
だけどここは
くらい

黙って見ている私を
罰する様に
右手の先から剥ぎ取られていく
あなたは独りよがり狂って
鼓膜に爪を掻き立てる
黙って見ている私に
何かを言ってほしいと
みだれた髪の隙間から
隠しきれない欲が
口開く
私を繋ぎとめたいと


自由詩 鬱血 Copyright 北井戸 あや子 2014-12-18 15:54:07
notebook Home 戻る