願いごと。
梓ゆい

電池パックの裏蓋に写真を貼り付けて
心に姿を浮かべながら
身体の代わりに携帯電話を抱きしめる。。

コピー詩集を携えて
下町の路地を歩けば

スカイツリーによじ登り
ひしめく街並みの中から
(ひょいっ・・・・。)と
探し人の手を掴んでみたくなった・・・・。

「告白は、神様への打ち明け話。」
恋みくじにも想いを託し
嫁入り行列の横で手を合わせながら
今は素直に祝福を送る。

《第一番・大吉/誠意を持って、心を伝えましょう。》

この手の先にいるのが
あの人でありますように。。
携帯電話の変わりに
手を握れますように。。

光がゆらめく隅田川。
出来立てのカレーライス一杯。
(午後二時を過ぎた時、引き戸の向こうにはあなたがいるのだろうか・・・・。)

眠りが浅い、休日前の明け方。
不意に会いたくなって
写真を貼り付けた裏蓋を見る・・・・。

「日は照らし・高鳴る鼓動に反射して・心穏やかに愛を願う。」
小さく呟いてもう一度
携帯電話を握り締めた。。


自由詩 願いごと。 Copyright 梓ゆい 2014-11-30 04:18:41
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