雨音
吐水とり

街に降り立てばビニール傘が
しろい灯をあびて泡立ってる
一秒迷って そのまま あるいた


いつも他人の水を掬っていた両手に
排気によごれた透明なしずくが寄り添う
僕のからだは重い
いとおしいほど重い



死と詩と
思と止と
しとしとしと


コンクリートのトンネル抜けて
親指に通してもぶかぶかな感傷もてあましながら
あるく 雨と
溶けて流れていくことば
文字の滲んだページをめくるようなもどかしさ





指と紙と
私と姿と視と
しとしとしとしと


濡れないあなたにはただの雑音


自由詩 雨音 Copyright 吐水とり 2014-11-25 15:22:45
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