よい宵
やまうちあつし

月の滴りの十日間
   
問いと答えが
輪舞するので
ぼくは呪文を
唱えたかった
「ヨイヨイ」
   
見えない蝶が
カップの縁に
しばし停泊したという
気付かないまま
飲んでしまった
よっぽど愚か
よっぽど幸せ

冬の星座が
笑って見ていた
苦笑いだか
照れ笑いだか
   
闇と光が
乱舞するので
異国の神にも
祈りたかった
「ヨイヨイ」


自由詩 よい宵 Copyright やまうちあつし 2014-11-24 19:44:08
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