シーラカンス歌う
吐水とり

古代からもげてきた俺は底のそこ

1日の始まりには
ひしゃげきった声で歌を歌って
1日の終わりには
紙魚みたいな涙をひとつ流すわけさ

ひかりは俺を殺すが
海の中は
もがけばもがくほど絡め取られて
心地よく俺を不能にしていく

そうやって
揺れて
気がつけばもう色がない

俺の歌を今きいている
青、
あおよ、
押しつぶされても歌える歌を教えてやるよ
闇が干上がったら会おうぜ
俺が眼をあげたときにはそのきらきらする粒をしまっといておくれよ


自由詩 シーラカンス歌う Copyright 吐水とり 2014-11-21 18:03:35
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