嫉妬
飯沼ふるい

愛という
愛としかいいようのない
性欲

裏切りという
裏切りとしかいいようのない
性欲

おいそこの♂と♀
振り回されるアホども
お前らは謙虚に、大胆に、生きて死ね
お前らは誰かに認められる必要もなく認められている
頼むからそれを誇りに生きて死ね
無駄に語らず死んでいけ
声をあげろ、その情熱のまま黙ってろ


動かないものたちを見捨て
真新しい水溜まりを弾いて
どこに行こうとも、
平熱を拒む暗がりが足元から浸食してくる

その晩は白菜を煮て食べた
味が薄く何度も醤油を継ぎ足して汁を濃くした


はだか\(^o^)/


平等にならされた地の切り口に
傾いだランプを灯し
非対称の垂直を建てる
光を見つめて垂れおちる水滴
星の寿命を裂いて滴る精液
その腐敗した臭いから産まれる数多の怪物
ども
お前らの名が与えられる肉塊が
宙を舞う地軸の底で産声をあげる

産声をあげる、そのまま死ね

暗闇の暗闇の暗闇の暗闇の


疾走する疾走する疾走する血圧


お前らの知恵遅れた精神を

貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り貪り

股から吹き上がる血を
草むらに隠して逃げ惑う
ゴキブリども(^ω^)
性欲の意味が愛で
裏切りの意味も愛で
愛という言葉を
庇いあいながら
死んでいくほかにないのだが
死ね

「これというもの
 どんなに
 白いタイル
 れ
 。なよ
 ま
 あの人は
 流線形になってし「\まって
 ほそ
 土を食む」


卵かけご飯を食べた
どぅるどぅるの白身にむせながらかきこんだ
牛乳を一杯飲み干して
全力で走った
晴天はシンナーだった
虹彩に滲む銀色を焼いて
町の構造をするするほどいていった
お前らが笑いながら追い越していく
高架下に滑り込み
打ち捨てられている轢死体が、見る
陽射し
真白い火に焼かれ
うらぶれる灰煙で汚れる町

  
  大切なことを 失う
  その横を 過ぎていく
  信じたものを 無かったことにする
  たったひとりと たったひとりと
  その他の かたまり
  不明瞭な 言語空間


暴発しそうだ
あらゆる構造から吸い上げられ、
そしてたったひとつの器に注がれる
気違いな情熱
お前らを殺したいただ一つの動機だ
群がる蝿と乱れる死臭の中にあって
お前らはなぜいつも平気で嘘を吐き続けられるのか、死ね


はだか\(^o^)/


つまりはそこに尽きるのだが
尽きてなお語る
嘘という
嘘としかいいようのない

お前らが語る言葉の嘘

 ホテルでレズビアンは銃殺される
           手を繋ぐ

 路上でゲイはリンチされる
       言葉を交わす

 二万円で少女は体を売る
        コートを買う
               
 昼休みに少年は犯される
        居眠りする

 はぁ〜マジセックスしたいっす
      セックスしたいっす

モザイクがかった暴力の倫理が
羨ましいお前らの区別だ
そうやって奪い合えばいい
怪物が言葉の愛を塗りたくり
冷たい文節をいとも容易く飛び越え
肉の虚空に振り回されて
一つの生き死にの中
幸福にまみれ、嘔吐するような
苦しみを展開する

平等にならされた地の上に性器を並べ
喜び勇んで躍り狂うアホども
自由を叫ぶアホども
関節の曲がり軋んだ轢死体を蹴りこみ
身悶えする恥態
♂が♀が、
♀が♂が、
♂が♀と♀が♂と♂と♂が♀と♂と♀と♀が♂と♂と♀と♂が♀が♀と…………

 たったひとりと たったひとりとが
 訳知り顔の にらめっこ
 笑いたいくせに 真面目ぶる
 負けてしまえ 笑ってしまえ
 なにをしようが
 たったひとりだ たったひとりだ
 
俺は逃げ道へ向かって疾走する
聖別というまやかしを引きずり
暗闇の染みた体液を撒き散らし
疾走する



疾走する!


自由詩 嫉妬 Copyright 飯沼ふるい 2014-11-20 23:50:00
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