冬、はじめました
あ。

いとおしくてあたたかなかたまり。例えるなら生まれたばかりの赤ん坊。訳もわからないまま抱きしめたくなる。愛よ、それは。名前は日だまり。

重ねても重ねても重ならない、色。赤は赤だし黄色は黄色。追いかける。潜る。柔らかく腐敗している。そのまま重なり続ける落ち葉。落ち葉。

玄関にまで溜まるぬくもり。夕飯はきっと鍋だろう。遊んでいた湯気は薄まりながらもほわりと舞って、高らかにはじまりを宣言する。


自由詩 冬、はじめました Copyright あ。 2014-11-18 13:44:49
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