大人の、お話し。
ki

ほんとはゆかりんやほっちゃんの話をしたかった
ほんとはラブプラスのはなしをしたかった
ほんとは自分のはなしをもっとしたかった
ほんとはもっと彼氏のはなしをしたかった
ほんとはもっとアニメのはなしをしたかった
ほんとはもっと○○のはなしをしたかった

ほんとはもっと、
自分がおもしろいにんげんだって伝えたかった
たくさんたくさんあふれてくることがあるから、聞いてほしかった、
いつもそうなんだけどな 、

「平田さんは何歳」
「29です。あ、今年で29になります」
「20代だーうらやましいー」
「…まあギリギリですけど…」(小声)

なんていうか
これが最後なんだと、これが最後なんだと、思って心臓をぎゅっ、と。

私は昔から大勢の中だと緊張してうまくしゃべれない
じゃあどうして参加したのかというともう29だし、今年で、あと数日で29になるから
飲み会は良い親睦の場だから好き嫌いしちゃいけないと思ったから
でも結局あまりしゃべれなかった。変わんない昔から変わんなかった。

お金のはなし
給料のはなし
子供のはなし
旦那のはなし
エッチなはなし
セックスのはなし

あんなに、あんなに憧れていたセックスのはなしはこんなにも手に届くようになりました
「してんの?」
「やってるよ〜」
「旦那裸族だもんね(爆笑)」
もうセックスなんて、目の前、だ。
別に恥ずかしいことじゃあ、ないよ。
ここにいるみんな「やってんだよ。」




ああ大人なんだなあと
しみじみ。

ゆずみつサワーをなめて
こどもあじをたのしみたい
おとなになりたくない
ずっとこのままでいたい
と語彙も乏しくなりまして

なににたいしても気持ちがそこまでたかぶることなくなりまして
これが20代最後の感情なのかとかなしくなりまして

何が起きてもせかいきぼで考えられるようになりました
だからすべてはありえないことではなく
おこりうることで、特別なこと。ではなく
あたりまえ。で。
いつのまにかつまらない大人になったと実感した2014年10月17日(あと5日でお誕生日。)

しにたいと願い続けてきた数十日前よりすべてがあたりまえになった今。
贅沢だけどつまらない

お酒は2杯までと決めてセーブするようになって
いちゃつくカップルを横目にわたしは自分の感情を置き去りに
年をとる。


もうすぐだよ
もうすぐなんだよ
私、
おめでとう、って言っていいかな?
わかんないよ。そんなの!


(わかんないことだらけの、おとなです。)


自由詩 大人の、お話し。 Copyright ki 2014-11-12 23:55:08
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