逃避行。
梓ゆい

忙しい。忙しい。としか言わなくなったので

ほんの少しの荷物だけを用意して

高尾山に登ってみた・・・・。

曲がりくねる坂道を登るうちに

「これは、今までの景色に似ているな・・・・。」と

思い始め

ここにいることさえ

怖く/悲しくなり

引き返そうと後ろを向く・・・・。

疲れた。疲れた。と泣いたことを思い出したので

このまま逃げることをイメージした。

再就職活動/ほんの少しの貯金/親の介護

先のことを考えて

留まることを選ぶ・・・・。

家賃/税金/生命保険

金が無ければ生きては行けぬと悟り

自分の中の大人を呼び起こす・・・・。

昇給昇進/各種手当て/資格補助

登った先の景色を目指し

杖の先を頂上に向けた・・・・。








自由詩 逃避行。 Copyright 梓ゆい 2014-10-24 09:24:45
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