逃避行。
梓ゆい
忙しい。忙しい。としか言わなくなったので
ほんの少しの荷物だけを用意して
高尾山に登ってみた・・・・。
曲がりくねる坂道を登るうちに
「これは、今までの景色に似ているな・・・・。」と
思い始め
ここにいることさえ
怖く/悲しくなり
引き返そうと後ろを向く・・・・。
疲れた。疲れた。と泣いたことを思い出したので
このまま逃げることをイメージした。
再就職活動/ほんの少しの貯金/親の介護
先のことを考えて
留まることを選ぶ・・・・。
家賃/税金/生命保険
金が無ければ生きては行けぬと悟り
自分の中の大人を呼び起こす・・・・。
昇給昇進/各種手当て/資格補助
登った先の景色を目指し
杖の先を頂上に向けた・・・・。