ヒレのある魂
ハァモニィベル

私の体は塊となって泣いた真珠
抱かれた声は何処にも行けない
遠く運ばれてきて、
柔らかい土の中で食べられるだけの
硬く凝固した夢が閉じられた瞼の奥の瞳

盲目の砂の眠りのほかにはもう
指先は何も確かめることができない
懐中電灯ほどの光もない失明の
饐えきった大地は流動をはじめる

魂よ
骨に換算された魂よ
流れも見ずに
いま独り沈んでゆく気骨よ

隅へ隅へと
手の鳴る方へと
踊り寄る足音たちを背に

鰭のある魂よ、
今こそ!
お前の背ビレを颯爽と立ちあげよ!







自由詩 ヒレのある魂 Copyright ハァモニィベル 2014-10-15 18:45:21
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