春(その4)
ty

春は

ただよう白いもやの中に
黄色の細胞が増え続け
形を変えて
流れ続け

桜はぼうぼうと
かたち無く
浮かび上がり

若草がやわらかく
たなびき
獣のように
ゆっくりと地を駆け

すべてが流転して
収拾がつかないように
想はれる
けれど

ひとがそれを
春 と
ひとつの名で
呼ぶ
ことができるのは
なぜなのだろう


自由詩 春(その4) Copyright ty 2005-01-30 00:42:03
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