春(その3)
ty

こんなことがあった

母親が
桜型に切り抜いた紙で
破れを塞いだ障子に
西日が差し込んで
燃え上がるように
輝きわたった

またこんなことがあった

暗い土間から
正午の光に
白く燃え上がる
満開の桜の木を見ていた

またいつか

こんな風に
誰かが
桜を見るだろう


自由詩 春(その3) Copyright ty 2005-01-30 00:41:16
notebook Home 戻る  過去 未来