包装紙
梅昆布茶
なにが入っていたのやら
わからないのだけれど
綺麗な包装紙や箱
おふくろが
いただきものの
高島屋なんかの包装紙なんぞを
ていねいに折ってあるものが
押し入れの隅からときどき
出てくる
彼女でもない女友達からの
電話はくるが
もと妻やぼくとおなじく
おやじになっただろう息子達からは
風の便りもなくて
やむなく自分の居場所を確定する
誰かのソネットが
風景をそっとゆさぶる
高島屋の包装紙が
ふわっと揺れる
母がほほえむ
しょーもない息子のために
写真フレームのなかで
自由詩
包装紙
Copyright
梅昆布茶
2014-10-11 06:00:17