猫と信号機
あ。

きれいなきれいなシャム猫と友達になりたかった
から、
毎日毎日探してた。晴れた日は陽光の跳ね返りの中まで目を凝らして、そして
雨の日は粒の隙間から覗き込んでた、時々片目をつむって。
うえのひとは鼻で笑う。シャム猫は外を歩かない、ましてやこんな埃っぽいところなんて。
見下げられている、煮え返る、瞬き、そして再び。ちか、ちか、ちか。
うえのひとが輝き、同時にぼくは消える、ことり、と。
まるで港みたいだねってどこかで誰かの声がした。
赤い光で止まる。止まれ。足元よりもうんと下には灰色の猫。かつては白かったのかもしれない。名前はわからない。


自由詩 猫と信号機 Copyright あ。 2014-09-24 15:37:24
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