うた
青色銀河団

その頃
ぼくらといえば
美しい霜のうえを
自転車で完璧な曲線を
描きながら
ふるえる独奏者としての
ふるえるりんごの夕陽のことばを
所有してました
複雑なぼくらのようなわたしたちの
冷たい風の冬でしたので
ぼくらはすれちがう意味のなかで
ようやくめぐりあうままの
貝殻でした

貝殻は死骸ですか
貝殻はすきですか
それは食卓に対して
垂直に交差する瞳をもつ
十四歳の呟く自由のうたでした
負傷する資格すらもたないものの
ともしびうたううた
雨でぬれたとき
濡れた衣服を脱ぐよりも
やせたはだかをさらす淋しさの
うた
難解なノートのような夢の海へ
もぐりこんだままの姿勢でねむる
そういう
こぼれるかたちの
うたでした





自由詩 うた Copyright 青色銀河団 2005-01-25 23:51:25
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