転勤族のふるさと自慢その5
Dr.Jaco

さて続きです・・・温泉話混浴編その他


「あんたは男やから気楽なのよ」って言われるが、確かにそうなのだろう。でも青森
の温泉や銭湯で意外だったのは、地元の男性は男湯であってもタオルできちんと前を
隠している事であった。図々しくフルチンで入るのは関西人。関西人は前を隠す=隠
しだてするかのように見られてしまう。粗チンでもそうだ。やはり青森の人は奥ゆか
しいのである。

では湯っこ(温泉)紹介の続き。

○温川(ぬるかわ)山荘
 先々週、妻と泊まって来た。外来入浴が殆どなので、たまに宿泊すると楽しい。冬
 は青森県内の道路の内、3割以上が雪で通行止となるため、夏は十和田湖経由でい
 けるところをわざわざ黒石市経由で西北側からアクセスする。温川ゲート(通行止
 箇所)の直前にある旅館。名前の通り山荘に毛の生えた程度の建物。ギシギシいう。
 でも女将さんは暖かい。風呂もあったかいが、混浴の脱衣所は野ざらし。おまけに
 積雪。脱衣カゴにも積雪。はだしで雪の上を歩いたらこうなるのか、とか思いなが
 ら、かじかんだ足を岩風呂に浸けると体が溶けた。100%温泉がパイプからゴボ
 ゴボ流れている。宿の方が自分らで作った風呂には、テーブルがあって、夜はそこ
 に冷えたビールを置いて、妻と二人、川のせせらぎを聴いた。(ちなみにビールが
 温くなったら風呂周辺の雪に突き刺しておけばいいし、カップ酒は温泉に浸ければ
 すぐに人肌である)姫マスの刺身が美味。毎日雪掻きしてても、こういう見返りが
 ある訳だ。

○酸ケ湯温泉
 知名度ナンバー1か。「千人風呂」と呼ばれる大浴場。千人入れる訳はないが、裸
 の女性以外に見逃してはいけないものがある。
 浴槽の中央部、その縁に立て札があって、一方に「男」他方に「女」と書かれてい
 るのだ。今は男女の境界があるのだ。その立て札を挟んで妻と入った。都会の風習
 に遠慮しながらもあくまでアバウトな青森が好きである。
 女湯もあるが、はっきし言うてしょーもないので入らないこと。

○谷地(やち)温泉
 ここは混浴が実質男湯になっている。同程度の女湯があるからだ。でも飲泉は混浴
 にしかない。透明のすごく温い湯(30分は浸かれる)と、白濁のあったかい湯の
 2種類。冬はテンも顔を出すらしいが見ていない。イワナがおいしい。側にある谷
 地湿原は草紅葉の季節の夕刻、黄金色に光り輝く。学校の校舎を移築した建物の中
 にはこじんまりした土産屋がある。山ぶどうの乾燥したやつが売っている。

他にも町中の温泉がある。一番のお気に入りを一つ。

○さんない温泉
 全国にも知られた三内丸山遺跡の近く。青森市内なのに、緑っぽく白濁したしょっ
 ぱいお湯がとめどもなく出ている。最近改修したばかりなのに、湯の出口には温泉
 の成分がどっぷり付着。でもなんと言ってもここの名物はやはり「トド寝」である。
 浴槽には余り人はいない。その代わり、周囲には洗面器をまくらに人が放射状に寝
 転がっているのだ。サウナ効果である。「トド寝」の場所を取るのが大変だが、一
 度やったら止められない。

私の言いたいことも一つ。「どうだ、羨ましいだろう。」
ではまた。


散文(批評随筆小説等) 転勤族のふるさと自慢その5 Copyright Dr.Jaco 2005-01-24 23:34:36
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